数理工学教育プログラムとは?
教育の目的と学習・教育目標
近年,ネットワークセキュリティにおける暗号理論,大規模複雑システムにおける数理計画法,乱流現象を記述する流体方程式や数値解析など,現代数学と科学技術の結びつきにより今後の発展が期待される分野が続々と展開されています。また一方で,科学技術の高度化と情報化に起因する複雑に錯綜した様々な重大な問題(例えば遺伝子工学等の発展に伴う生命倫理,新たな環境破壊の問題,新種ウイルスの蔓延など)を解決するには,個別の対症療法ではなく,長期的な展望と工学全体を見渡すようなトータルな視点から問題の本質を捉え,革新的かつ創造的な解決方法を生み出すことが必要とされています。
数理工学教育プログラムでは,現代社会におけるこうした複雑多様な問題に対し総合的な工学デザインに基づく解決法を提案し,新たな科学技術の創生に貢献できる数理技術者を養成することを目的として,科学技術と数学の先端的な融合を実現する教育プログラムを構築,提供します。工学的素養を身につけた上で,科学技術における共通言語としての数学の汎用性と創造性を理解し,問題解決に適用できる数理技術者,研究者,および教育者を社会に送り出すことを目指します。
数理工学教育プログラムが求める人
- 基礎的理論や科学技術に関心を持ち,積極的かつ自発的な学習・研究意欲を有している人。
- 現代社会の抱えている様々な問題に対し,数理工学的な方法による問題解決能力を身につけ,それにより社会に貢献しようと考えている人。
- 数学が好きで,数学の関連する事柄を理解したいと考えている人。
将来活躍が期待できる分野
数学・統計の基礎力がコアになっていることから,ソフトウェア,システムエンジニアなどの情報関連業種での活躍が期待できます。さらに,融合専門科目を履修することにより,広い範囲の業種,製薬・医療関連企業,保険会社,証券・金融関係等の産業・企業で活躍することができるでしょう。
教員免許取得者を取得し,中学校・高校の数学の先生としての活躍も期待できます。また,近年は大学院に進学する学生も増えています。
歴史
- 昭和42年4月
- 工学部共通講座工業数学第一講座設置
- 昭和48年4月
- 工学部共通講座工業数学第二講座設置
- 昭和63年4月
- 工学部共通講座工業数学に改組
- 平成 8年4月
- 工学部数理情報システム工学科に改組
- 平成18年4月
- 工学部数理工学科設置
- 平成22年4月
- 大学院自然科学研究科博士前期課程数学専攻設置
- 平成30年4月
-
工学部機械数理工学科に改組
数理工学教育プログラム設置
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大学院自然科学教育部博士前期課程機械数理工学専攻に改組